1999/ 4/ 2
2001/ 5/ 2


傾いた図形を水平にして出力するには

平面図など公共座標を使って座標入力で図面を作成した場合、図が斜めになってしまうことがあります。
道路の平面図など、印刷の時はメインとなる道路を、水平に配置したい時もあります。

Auto CADではモニターの天地左右が出力する用紙の天地左右になります。道路を水平にして出力したければ、モニター上の表示も水平になっていなければなりません。
ここで回転コマンドを使ってしまっては、せっかく座標入力した座標値が狂ってしまいます。
このような時には、モニターに写しているカメラの方を傾けてやれば、座標や図形はそのままで、見た目だけ回転したようにすることができます。

色々なやり方があるでしょうが、私は次のようにしています。
図面上に用紙の底辺に合わせたい(水平にしたい)線があればそれを、なければ補助線を引きます。
次にメニューから「ツール」-「UCS」-「オブジェクト」を選びます。
「UCS を位置合わせするオブジェクトを選択:」と指示がありますので、先程の線をクリックします。
コマンドで操作する場合は、「UCS」とタイプして「OB」とします。
ツールボタンもあります。ワンクリックで済みますから、こちらのほうが早いでしょう。
これで今選んだ線に平行にユ−ザ−座標系が設定されました。UCS アイコンを表示してみると、ワールド座標を表すWの文字が消え、座標軸は指定した線に平行になっていることが分かります。

最後にカメラを傾けますが、その前に座標系の向きを確認しましょう。この後の設定でX軸のプラスの方向が用紙の左から右になります。Y軸のプラス方向が下から上です。
選んだ線の始点と終点の向きによって、座標系が逆になっていることがあります。その時は、ユ−ザ−座標をZ軸回りに回転させて合わせましょう。

さて、最後にコマンドラインで「PLAN」とタイプします。
メッセージがありますので、そのままリターンです。
どうです?目的の線が水平になりました。これは言ってみればドラフタ−上で用紙を回転させたようなものです。手書きで図面を作っていた時分はよくやったものです。

元のワールド座標の表示に戻すには、一旦ワールド座標に戻してから、もう一度「PLAN」とタイプします。
ワールド座標に戻るには「UCS」とタイプして、そのままリターンか、ツールボタン を左クリック-右クリックです。このボタンが出ていればワンクリックでワールド座標に戻ります。

ツールボタンのアイコンのデザインがAuto CAD 2000i は違うようですね。似たデザインですから、更新せずにこのままにしておきます。


(C) Yoshiyuki Inaba 1999-2001

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