1999/ 6/25
2000/ 8/ 7
2000/ 8/11
平米(平方メートル)や立米(立方メートル)など、上付きや下付き文字は結構良く使うものです。
古〜いバージョンのAuto CADでは、文字高さを変えて小さい文字を書いていたものです。移動などの時に、右肩に書いた文字を、知らずに置いてきぼりにしてしまうこともありました。
Windows95対応になってから、マルチテキストが追加になって、これらの文字も使えるようになりました。(Auto CADですから、簡単にはいきませんが)
マルチテキストとは、図形ツールやCGソフトなどのテキストボックスのようなものです。
まずボックスを作り、その中にテキストを書き込みます。
テキストは従来の文字のように、コマンドラインから入力するのではなく、専用のエディターが起動し、そこで入力することになります。
「初期化中です」というメッセージが出て少々待たされますが、エディターが起動するのに時間がかかるからです。
寸法文字を修正するときも、初回は待たされますね。寸法文字も今のバージョンでは、マルチテキストになっています。
起動したテキストエディターは「フルエディター」と呼んでいるようですが、待たされた割にはあまり出来がいいほうではなくて、マルチテキストで表現できる色々な書式を設定できません。
仕方ないので、取りあえず体裁を考えずに文字だけを入力します。例として「TRUCKING」という文字を入力します。
次に「オブジェクト編集」ツールボタンを押して、今入力した文字を編集します。
コマンドは「ai_propchk」です。「ddedit」 というコマンドでも同じダイアログが開きます。
すると「マルチテキストの修正」ダイアログが開きます。
この中の「内容」という項目を、以下のように書き換えます。
頭の「\T」がトラッキングを意味します。次の「2」が間隔を意味します。
1ですと何も変化しません。大きくすると間隔が開きます。小数も使えるようです。
以下に幾つか例を示します。
\T1.5;TRUCKING | ||
\T2;TRUCKING | ||
\W2;TRUCKING |
これらの文字を修正するときは、必ず「ai_propchk」コマンドでこのダイアログを出して修正してください。フルエディターではこれらの書式文字を文字の一部としてしまいます。
日本語の場合、トラッキングがうまくいきません。
仕方ないので、先頭に半角のスペースを入れると、全体のバランスがとれます。
\T1.5;字間の調整 | ||
\T1.5; 字間の調整 | ||
\W2;字間の調整 |
また、TrueType フォントを使った場合、字間があきすぎて思い通りに調整できません。
これら2バイト文字に関する不具合はバグだったようで、AutoCAD2000/LT2000 ではきちんと表示されます。
さて、ところがAutoCAD2000/LT2000 では大問題があります。
AutoCAD2000/LT2000 ではプロパティウィンドウというものが追加になって、その時選択されているオブジェクトの情報を常に表示させておくことができるようになりました。
これまで「ai_propchk」コマンドで表示されたダイアログの内容がこのウィンドウに変わったわけです。
ところがですよ、このウィンドウではテキストの修正はできないのです。AutoCAD2000/LT2000 ではテキストの修正は「フルエディター」しかなくなってしまったのです。
これはどういうことかというと、以前のバージョンで作ったファイルに上付き文字などがあった場合、AutoCAD2000/LT2000 では表示はできるが修正はできないということです。
これは図面の品質ダウンにつながる問題です。AutoCAD2000/LT2000 は他にも問題がありますが、この1例だけでも私は仕事に使えるレベルではないと評価して、現在でもLT97を使っています。
上付き、下付きも手順は一緒です。
まず、とりあえず入力して、後から直します。
\A0;m{\H0.5X;2} | |||||
\A1;m{\H0.5X;2} | |||||
\A2;m{\H0.5X;2} |
\Aは配置、\Hは文字高、0.5Xは0.5倍という意味です。
ここを0.7にすると、このようになります。
分数は次のようにします。分数だけは手作業で直さなくても、エディターに分数ボタンがあります。
{\A1;1\S1/2;}
LT97で説明していますが、もしかしてLT98ではもっと簡単になっているのかしら。
1年前に書いたこの1行は消さずに残しておきましょう。バージョンアップによって使いやすくなるどころか、逆に使えないものになっていました。
まもなくAutoCAD2000i/LT2000i というバージョンが出るそうですが、果たしてこの問題はどうなっているでしょうか?
-------- 2000iもだめでしたね。
この他にも色々な書式が用意されています。
これらはオンラインヘルプの奥深いところに書かれています。
AutoCAD2000/LT2000 では修正はできませんが、入力することはできます。
「-mtext」というコマンドを使ってみて下さい。頭にハイフォン(マイナス)があることに注意。
ハイフォン付きのmtext はエディターが起動せずに、コマンドラインから文字の入力ができます。
ここで例えば「\A2;m{\H0.5X;2}」などとやるわけです。当然書式文字を覚えていなければなりませんね。
修正はできないので、修正があるときはもう一度新規に入力するということになります。
フルエディターに問題があるのだから、フルエディターを使わずに入力、修正をすればいいのです。
AutoCAD/LT にはマルチテキストエディターを好みのエディターに切り替えることができる機能があります。
フルエディターの代わりにメモ帳を起動されることもできます。
メモ帳ではちょっと使いづらいので、オンラインウェアのLT95用に作られたマルチテキストエディターが、AutoCAD2000/LT2000 でも使えるようなので、利用されてみてもいいでしょう。わたしはLT97で時々利用しています。
フルエディターを使って上付き文字を表現する裏わざ(?)を御紹介します。
分数の分子だけを使って上付きに見せようというテクニックです。
たとえば平米の場合、m2^ と入力します。
次に 2^ の部分を選択して分数ボタンを押すと、分子だけの分数になって上付きのように見えます。
上付き文字が少し大きく感じるようでしたら、2を選択して文字高さを変えてやります。
分数になった時点で元の文字高の0.7倍になっていますから、それも考慮にいれましょう。