1998/10/ 2
2000/ 4/ 3
Auto CADには作業空間として次の2つの空間があります。
作図は主としてこの空間で行います。寸法や文字などを除く主題となる図形は、縮尺を気にせずに実寸で描きます。
作業エリアは無限に広がっていると考えて差し支えありません。デフォルトではモニタの左下を原点とする「右手」の座標系(デカルト座標)が採用されています。これをワールド座標と呼んでいます。必ずしも原点がモニタ上にある必要はありません。モニタには作業エリアの好きな場所を表示することができます。
作図の単位は決まっていません。mmで描くかmで描くかはユーザーの自由です。どの単位を使おうとも、Auto CADにとっては単位を持たない数値でしかありません。便宜上「作図単位」という単位という事になっています。
図面のレイアウトはこの空間で行います。縮尺もこの空間で設定できます。
AutoCAD2000/LT2000 では画面下に「モデル」タブと「レイアウト」タブがあります。
「モデル」タブがモデル空間、「レイアウト」タブがペーパー空間のことです。
ペーパー空間が登場したのははるか昔のバージョンでしたが、ようやく使い方が分かる表現になりましたね。
AutoCAD2000/LT2000
ペーパー空間には図面枠やタイトルボックスなどを描きます。モデル空間と同じ単位を用いて、やはり実寸で描きます。
この中にビューポートと呼ばれる窓を開けてモデル空間で描いた図面を表示させます。
その時に縮尺も決めます。
ビューポートは大きさの変更や移動ができますので、文字どおりレイアウトが自由に決められます。
ペーパー空間の大きさも無限に広がっています。何枚分もの用紙を描いて、それぞれにモデル空間で描いた図形を表示させることができます。
AutoCAD2000/LT2000 ではレイアウトタブは幾つでも追加できますので、1つのレイアウトタブにつき1枚の図面という使い方になるのでしょうか。
下のバージョンではペーパー空間は1つだけですので、異なるバージョン間でファイルの交換をする予定がある場合は、1つのレイアウトタブしか渡せませんので御注意を。
AutoCAD2000/LT2000 ではタブをクリックするだけですから、あえて申し上げるまでもないでしょう。
以前のバージョンでは画面下のステータスバーに「タイル」というボタンがあります。これをダブルクリックするとペーパー空間に切り替わります。。すると隣の「モデル」というボタンが「ペーパー」に変わります。モデル空間に戻る時も「タイル」ボタンをダブルクリックします。
UCSアイコンを表示すると、今自分がどの空間に居るのかが分かります。UCSアイコンを表示するには、コマンドラインで UCSICON とタイプして、表示するならON、表示を消すならOFFにします。
モデル空間ペーパー空間
AutoCAD2000/LT2000 ではタブを見ればすぐに分かりますが、以外やレイアウト上で図形を選択しようとしても選択できなくてパニックになりかけた人がいました。2000からはモデル空間とペーパー空間の背景の色を別々に設定できますので、変えておくと一目で分かるようになるでしょう。
次も旧バージョンユーザーのための説明ですが、
ツールボタンからでもモデル空間とペーパー空間の切り替えができます。これならワンクリックです。
モ デ ル空間に切り替え
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ベテランの方はコマンドを入力する方が早いそうですから、コマンド操作で切り替える方法もご紹介します。コマンドラインで TILEMODE とタイプします。「TILEMODE の新しい値 <1>:」と聞いて来ますから、ペーパー空間に入るなら「0」、モデル空間に戻るなら「1」を入力します。
つまり TILEMODE という変数の値が 1 のときはモデル空間
TILEMODE = 0 のときはペーパー空間ということになっています。
これらの説明はAutoCAD2000/LT2000でもLT97でも全く同じに機能します。
私はモデル空間とペーパー空間の切り替えをショートカットキーに設定してあるので、CTRLキーを押しながら数字の1を押すと、交互に切り替わるようになっています。非常に便利です。詳細は「ショートカットキーの作り方」をご覧下さい。